ん、誰か呼んだ?


by zo-shigaya

8月15日を前にして

「アラバマ物語」を見た。8月8日
 「アラバマ物語」といっても知っている人は少ないだろうな。グレゴリー・ペック主演の”アメリカの良心映画”、ということになっている。その評判は聞いていても、まだ見たことがなかった。1962年制作で、その当時、『暮らしの手帖』の裏表紙に毎号、その原作の宣伝が出ていたので良く覚えている。(私は小、中学校時代、『暮らしの手帖』のきわめて熱心な読者だった。現在の生活のこまごました暮らしの知恵や食べ物についての基礎知識はあの雑誌から得たものである。)
 しかし映画を見る機会はなく、その後もビデオ屋の棚で見かけることもなかった。
 それを先日、ツタヤで、DVDになっているのを発見、8日の日曜日に見た。 
 ハーパー・リーの原作は1930年代のアメリカ南部の田舎町をそこに住む子供たちの目を通して描いたもので〜貧しいが落ち着いていて、時間がゆっくり流れている白人中心の社会、その秩序に従っていれば、互助と友愛の人間関係が暖かく息づいている社会の叙述に中心を置いているもののようだ。発表した1960年代には最早失われた思い出の世界であり、アメリカ人の多くにとっては、この小説は郷愁を誘うものであり、大ベストセラーとなった、という。
 子供たちにとって夢のような日常の中で、強姦未遂事件が起きその下手人は黒人青年とされた。町の判事は、その弁護を子供たちの父親の弁護士に依頼し、彼は町中の白人の敵意の中で、黒人青年の無罪の証明に全力を尽くすことになる。その弁護士役にグレゴリー・ペックが扮し、彼の人柄そのまま、という感じで好演する。彼にとっての最高の役所ろだろう。
 こういう、善人が善人として活躍し、敗れても毅然としてその態度を変えないという映画は見ていて本当に気持がいい。逆に、その後のさまざまなひねりや小細工に満ちた映画に慣れた目から見れば、あんまりまとも過ぎて気持が悪い、とか、単純、とか、あれこれ不満が出るだろう。しかし、『スミス都へ行く』とか『友情ある説得』とか、あるいは近くは『クレイドル・ウイル・ロック』(1999年テイム・ロビンス監督)など、「アメリカの良心映画」の流れというのは、こういうものなのだ。手放しで感動しなさい。
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by zo-shigaya | 2004-08-12 10:38