ん、誰か呼んだ?


by zo-shigaya

捨てるべきか否か

 もう先月の事になるが、愛恋が、連日のせわしない活動で疲れ果てて、少し気分変えようという事でブーブ・クリコを買ってきた。元気良く立ち登る黄金色の泡を眺めていたら、少し前に読んだ本で「クリコで乾杯!」という場面があったなあ、と思い出す。政治学者で労働党の活動家であったハロルド・ラスキとアメリカのオリバー・ウエンデル・ホームズ判事との『ホームズーラスキ往復書簡集』の中であった。1930年、ラスキがロンドンからの手紙の中で、「(ホームズ判事の)89歳の誕生日を祝って夫婦で1911年のビンテージ物のクリコを開けてお祝いをしました」とある。ラスキは30代半ばである。ラスキはシャンペンが好きだし、それに書籍の収集家である。毎回の手紙には古書店で釣り上げた成果が必ず書かれている。
 そして何よりも驚くのは、ホームズ判事はこの年齢で現役の裁判官であることだ。
ホームズの下す判決はアメリカの良識として国民的な尊敬を克ちえていた。老害どころではない。終生、そして93歳で亡くなった後も、彼はアメリカ司法のお手本であった。

 ところで、なんでホームズ判事に興味が行ったのかと言えば、VTRの整理をしていて『ニュールンベルグ裁判 第一部』を見たからである。あの映画の冒頭でドイツ側の弁護士が法の適用に当たって、ホームズの言葉を引用したシーンを見て、である。(映画では弁護士にマクシミリアン・シェルが扮している)
 スペンサー・トレーシー扮するアメリカ人裁判官に対して自分の弁護の基本的な立場を極めて適切巧妙に宣言して見せた訳だ。
 それとは別に、この『ニュールンベルグ裁判』はスペンサー・トレーシーとマレーネ・デイートリッヒとの淡い逢瀬なども盛り込んでいる。面白い映画だ。続けて『二部』も見ようとしたら、私のVTRにはなんにも写っていなかった。録画のミスである。いつか見ようと思ってチェックもせずに、ただ録画しっぱなしのものが結構あるのである。
 レンタルであるだろう、と思ったらネットのレンタル屋でもDVDにはなっていないようだ。セルだとビデオテープで1万円近い値段だ。映画として面白いのだから出せばよいのに。題材が固いものだと、こんな具合だ。

 山のようになったエアチェックのVTRも、そうおいそれとは捨てられないのかなあ。
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by zo-shigaya | 2007-04-07 18:56 | 近時片々