ん、誰か呼んだ?


by zo-shigaya

磯田道史さん

 4月5日の朝日新聞に、磯田道史さんのインタビューが出ています。古川某という小僧さんのような風采の大臣が、休眠預金の活用を提案したことへのコメントである。「浪費の殿様、官僚にだぶる」と見出しがつけられているが、これ以上ないくらいの激辛コメントである。

 「今の政府の統治力を疑問視しています。」「江戸の武士は、次第に既得権益の確保に走るようになりました。御用金も・・・殿さまの婚礼費用や御殿建設の場合もありました。古くなったいまの官僚組織は、私には江戸後期の武士にだぶります。消費税増税も休眠預金の話も、お上が使うお金を増やすという意味では同じです。婚礼用の御用金のように無駄な出費にしないか。我々はしっかりと意見していく必要があります。」

 磯田さんが「古くなった官僚組織」と言い切るのは、江戸の組織を引き継いで営々と温存されてきた日本の官僚制度の問題点を、しっかりと踏まえた発言、と推察されます。

 磯田さんは、「武士の家計簿」の中で、江戸幕府や藩政時代からの連綿たる流れを、少し、ちらりと、指摘していました。膨大な資料の裏付けを持っている磯田さんが、これについての論考をまとめていただければ、きっと面白い官僚論になるでしょう。ぜひ拝見したいものです。

 蛇足になりますが、映画の「武士の家計簿」は、磯田さんの著書を原作にしていますが、著書とはまったく別物です。映画は冗長で退屈で、凡作です。こんなものだと思って本を敬遠している人がいたら、本当に残念です。
 映画化されて損しているのが、「武士の家計簿」でしょう。
 
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by zo-shigaya | 2012-04-06 12:03 | 読書メモ